医学部生のアルバイト事情は? おすすめのアルバイトと勉強と両立するポイントについて解説 | 医師国家試験予備校MEDICINE

更新日:2025年6月23日
医学部は学業が非常に忙しいことで知られていますが、それでも多くの学生がアルバイトをしています。将来の進路や経済的理由、気分転換のためなど、アルバイトをする理由はさまざまです。この記事では、医学生におすすめのアルバイトや、学業と両立するためのポイントについて詳しく解説します。限られた時間を有効に活用しながら、自分に合った働き方を見つけましょう。
目次
医学生に人気のアルバイト5選
医学部生に人気のアルバイトには、学業との相性がよく、将来のキャリアにもつながる仕事が多いです。学業の妨げにならない範囲で収入を得つつ、社会経験やスキルアップにもつながるアルバイトが理想的です。ここでは、特に医学生に選ばれているアルバイトを5つご紹介します。
①塾講師

塾講師は、医学生にとって定番のアルバイトです。主に高校生を対象とした進学塾や個別指導塾で大学受験の指導にあたることが多いと思います。特に、医学部を志望している高校生から見ると、現役の医学部生は勉強の指導だけでなく進路の相談や面接の対策なども可能なため、一定のニーズがあるといえます。
時給が高めに設定されていることが多く、少ない労働時間でも効率よく収入を得られる点が魅力です。勤務時間は夕方から夜にかけてが多く、大学の授業との両立もしやすいのが特徴です。
②家庭教師

家庭教師も医学生に人気の高いアルバイトです。高校生の勉強を指導するという点では塾講師と似たような業務内容に感じられますが、実際は大きく違う点がいくつかあります。
まず、家庭教師は個別で(仲介業者を挟まず)家庭と契約することも可能なため、塾講師よりもさらに時給が高くなる傾向にあります。
また、塾講師の場合には授業を担当する曜日が決まっており、毎週決まったスケジュールで拘束されがちですが、家庭教師は生徒の家庭と相談の上比較的自由にスケジュールを決められるのも良い点です。
一方、なかなか契約を取り付けるのが難しい点や、1件だけでは労働時間ひいては収入が限られてしまうという点(一件の家庭教師だと多くても週4〜5時間分の時給しか得られません)、自分の指導力が生徒の成績に直結しやすく結果を出すことがよりシビアに求められる点などは家庭教師のデメリットと言えるかもしれません。
③イベントスタッフ・リゾートバイトなど
長期休暇にまとまった額の収入を得たいという場合にはイベントスタッフやリゾートバイトなどの単発バイトがおすすめです。イベントスタッフはライブ会場の設営や受付・誘導などの業務を行います。リゾートバイトは、観光地のホテルや旅館、スキー場などで住みこみで働くバイトです。
どちらも、まとまった額の収入が得られるという点、さらには普段あまり機会がない他大学の大学生との交流機会を得られるという点がとても魅力的です。
何日間も連続で一日中働くことになるので体力は必要になりますが、上記2つの教育系バイトではできない社会経験ができるのも魅力の一つでしょう。
④医療機関のスタッフ
こちらは少々特殊なバイトですが、医学生の場合夜間救急の受付や応対、会計などが主な仕事になります。
夜間救急ですので勤務時間は夜から翌朝となり、授業時間などと被ることはありませんが勤務中は基本的に寝ることができない分、翌日に授業・実習がある場合支障をきたす可能性はあります。
メリットとしては、救急患者がおらず、対応すべき事案がない間は自分の課題をするなど比較的自由な行動が許される点、また勤務時間が長い分ある程度まとまった額の収入が見込めるという点があります。
また、こちらのバイトは紹介制のことも多いようで、なかなか自分で見つけるのは難しいかもしれませんが、体力に自信があるという方は先輩などから紹介された際に積極的に検討してみてはいかがでしょうか?
⑤医療スタートアップ
最近では、医療系のスタートアップ企業で働く医学生も増えています。仕事内容はリサーチ業務、記事執筆、SNS運用、アプリ開発のサポートなど多岐にわたります。
会社によってはプログラミング、統計、データ解析などの前提知識、実務経験が要求される場合もありますが、医療知識を活かしながら、ITやビジネスのスキルも学べる点が大きな魅力です。
オンラインで完結する業務も多く、場所にとらわれず柔軟に働けるのも医学生には嬉しいポイント。将来、臨床以外の道を視野に入れている人にもおすすめのアルバイトです。
医学生がアルバイトを選ぶ時に意識すべきポイント

アルバイトを始める前に、自分の生活スタイルや学業とのバランスを考えることが大切です。やみくもに選ぶのではなく、目的や勤務条件、自分の強みを活かせるかどうかも意識して選びましょう。ここでは、医学生がアルバイトを選ぶ際に特に意識すべき3つのポイントを解説します。
医学部の進級試験・病院実習と両立が可能か
バイトについて色々と述べてきましたが、学生の本分はやはり勉強であり、バイトに熱中しすぎるあまり試験に落第したり授業の出席が足りなくなったりして留年となってしまっては本末転倒です。特にCBTなどの大きな試験は、膨大な勉強量が要求されるためかなりの時間を勉強に割く必要が出てきます。
アルバイトを選ぶ際には勉強時間をしっかり確保できるか事前に確認しておくことが大切です。
また最初のうちは、スケジュール上は勉強とアルバイトが両立できていそうに見えても、実際にはバイトで疲れ果ててしまい勉強に集中できないという事態にも陥りがちです。
ある程度余裕を持ったスケジュールをしばらくこなしてみて、それでも大丈夫そうであればバイトの量を少しずつ増やしていくという方針が無難に思われます。
アルバイトの目的を明確にする
「なぜアルバイトをするのか?」という目的を明確にすることで、仕事選びの軸が定まります。
例えば、「大規模な海外旅行は学生の間しかできないからそのためにお金を貯めたい」というのも立派な目的になり得ますし、接客などの社会経験を積むこと、勉強の気分転換をすること、将来のキャリアに繋げることもアルバイトの目的と言えるでしょう。
目的意識を持ってバイトの時給や業務内容を吟味することで、満足度の高い経験につながります。
柔軟にスケジュール調整ができるかを確認する
医学部のカリキュラム、特に病院実習は突発的な変更や延長があることも多く、予期せぬ予定変更に対応できる柔軟性が重要です。
アルバイトを選ぶ際には、シフトの相談がしやすいか、欠勤時のフォロー体制があるかなども事前にチェックしておくと安心です。固定シフトよりも自己申告制のスケジュールがある仕事や、オンラインで完結できる業務だと柔軟に対応しやすいです。
スケジュールに縛られすぎると学業にも影響が出てしまうため、バランスを保てる働き方を選ぶよう心がけましょう。
医学生がアルバイトと学業を両立するには?

学業とアルバイトを両立させるには、計画的な時間管理と柔軟な対応力が必要です。仕事を詰め込みすぎると体力的にも精神的にも負担が大きくなり、学業に支障をきたしてしまうこともあります。ここでは、実際に両立している医学生が意識している具体的なポイントをご紹介します。
アルバイトに費やす時間がどれくらいかを把握しておく
まずは、自分がアルバイトに割ける時間を明確にしておくことが重要です。週何時間働くか、その分学習時間や生活にどう影響が出るかを考えながらスケジュールを組む必要があります。
上述した通りですが、単にスケジュール上勉強時間を確保するだけでなく、自分の体力や疲労を考慮した計画を立てることが必要です。
さらに部活に所属していたりする場合には、スケジュールを組むにあたって考慮すべき事項が多くなります。初めはアルバイトを入れすぎず、ある程度慣れてきて余裕があれば増やしていくようにしましょう。
先に勉強時間を確保できるようスケジュールを調整する
スケジュールを決める際には、まず勉強時間を確保することが優先です。その上で空いた時間にアルバイトを入れることで無理のない働き方が可能になります。
スケジュールは週の初めに1週間分をまとめて決めてしまうのがおすすめです。1週間程度であれば、ある程度授業や実習の予定もわかっているはずです。授業の空き時間や実習の待ち時間などに勉強を進めてしまえば自由に使える時間も増えてきます。
予定を立てずに行き当たりばったりで生活していると、「なんとなく疲れてやる気が出ないから勉強しない」みたいなことがどうしても多くなってしまいます。しっかり自分で予定を立てて、その通りに生活するという習慣を身につけるのがとても大切です。
試験期間はアルバイトを入れない
試験期間中は、アルバイトを一切入れず、学業に集中することを徹底しましょう。特に進級に関わる大きな試験は非常に重要で、成績次第では留年のリスクもあります。
アルバイト先にはあらかじめ試験スケジュールを伝えておき、許可を得ておくことが大切です。試験期間に備えて、それ以前にシフトを多めに入れておくなど、働き方を工夫することで収入面の不安も軽減できます。
しっかり勉強に集中できる環境を整えることが、医学生にとって最も優先すべきことです。
まとめ
医学部生は多忙な学業の合間を縫ってアルバイトをしていますが、選ぶ仕事によっては学びや成長につながる貴重な経験となります。
塾講師や家庭教師などの教育系バイトは、知識を活かせる上に高収入を期待できる一方、イベントスタッフやリゾートバイトは気分転換や社会経験にも適しています。また、医療機関や医療系スタートアップでの勤務は、将来のキャリアに直結するメリットもあります。
大切なのは、学業とのバランスを意識し、無理のないスケジュールを組むこと。試験や実習を見越した柔軟な働き方を心がければ、アルバイトと学業の両立は十分可能です。自分に合った働き方を見つけて、充実した学生生活を送りましょう。