医師国家試験 不合格体験記② 11月から対策を始めて不合格に | 医師国家試験予備校MEDICINE
医師国家試験は合格率が90%強と非常に高い試験ですが、その裏で毎年1,000人弱が不合格になっている現実があります。過去に国試で失敗してしまった事例を参考に、同じ失敗を自分も繰り返さないようにすることは非常に有効な対策になります。
そこで本記事では、医師国家試験対策を始めるのが遅かったがために現役時代に不合格になってしまった事例をお話しします。先輩受験生から得られる貴重な教訓を元に、自身の合格では医師国家試験合格をつかみ取れるようにしましょう!

更新日:2025年6月23日

医師国家試験 11月から対策を始めて不合格に
M.Hさん
目次
11月まで部活に熱中していた

学校の定期試験は、直前に友達から過去問を借りて、一夜漬けで突破。6年生で部活を引退してから国家試験の対策をすれば良いと思っておりました。東医体自体は6年生の夏で終わったのですが、引退後もなかなか勉強に集中することができず、同級生が勉強に集中してるのを傍目にOBとして部活に足しげく通い練習に参加していました。
結局11月までレギュラーメンバーと大して変わらない部活生活を送っていました。マッチングも筆記試験が必要のない病院を受け、国試対策を始めたのは、11月から。その時に初めて問題集を開きました。部活の先輩も国家試験で苦労してるようではなかったので、自分でも大丈夫だとすっかり安心してわからない問題だらけでも放置していました。
しかし周りの友達からは心配されていました。それでも大丈夫と勉強会にも参加せずたまに自主トレもしながらよく勉強していました。
9割が合格するから大丈夫だと思っていた
医師国家試験は9割の人が合格する試験です。私は学生時代、定期試験で一夜漬けをしていたとは言え、学年で上位9割の中には入っていたため、自分の詰め込みの良さには自信がありました。実際過去5年分の過去問やれば大丈夫だと思っており、直前1ヵ月程度頑張れば良いのではないかとすら思っていました。
しかし現実はそう甘くないです。医師国家試験の範囲は極めて膨大でQBだけでも6000問近くあります。さらに普段の定期試験で効率よく点数が取ることができたのは、過去問と過去問と全く同じ問題が出る本試験のおかげです。本番の医師国家試験では過去問と似た問題が出るとは言え、完全に全く同じとは言いがたく病態の本質を知っていないと似ている問題と認識することすらできない状態です。
定期試験で高得点を取る鍵は過去問を丸暗記することですが、医師国家試験においては丸暗記では足りず、普段から授業などをしっかり聞き込んでいたり、過去問対策の中で解説をしっかり読み込んだりすることが重要です。
12月に受験した模擬試験で偏差値25を記録…

そのようなこともわからず、私はがむしゃらに過去問を暗記しようとしていました。12月に初めて模擬試験を受験し勝手がわからなかったと言うこともありますが、偏差値は25でした。9割が合格する試験とは言え、偏差値は35から40程度ないと合格することはできません。
私は非常に焦ったのを覚えています。このようなことにならないためには常に周りとの差を把握していることが必要です。特に模試を早い段階から受験していることが非常に重要だと思います。また普段から友達の勉強会などにも参加し、自分と周りの友達の差を把握していることも重要だと思います。実際偏差値25から合格することも可能なのですが、私はそこで模擬試験の復習をしたのは良いものの、そこでも丸暗記をしてしまいました。
模擬試験は有益な問題が非常に多いですが、たまに平均値を下げる意図のためいたずらに難しい問題も含まれています。基礎的な知識はないとそのような知識も必要なのではないかと誤認してしまい、結局丸暗記する羽目になります。普段から映像授業や問題集などで基礎知識をつけるようにしましょう。
医師国家試験は決して簡単な試験ではない
一般的に、医師国家試験は、簡単と言う言説が流れますが決してそんな事はありません。特に医学生は普段から授業などをしっかり聞いて復習している人が多いためその中で上位9割に入ると言うのは何もせずにできるようなことではありません。
私の大学のように早期に全範囲を勉強し終え進級試験等でもメジャー分野、マイナー分野問わず出演されるような大学では、早期に貯金を作っておかなくては、進級試験が多く存在せず6年の秋以降に受験勉強を本格的に開始する大学の受験生が追い上げてくることに気づきません。もちろん高校生の時の受験勉強のポテンシャルがあれば、医師国家試験はその延長線上ですが、大学受験から6年も経ってしまっている以上、完全に勉強法を忘れたりすると、なかなかそれを取り戻すことができず、本格的に勉強する習慣を失っていると言うことにもなりかねません。
少なくとも6年生の春までには膨大な知識量をどのように身に付けるか、自分なりの方法をマスターすべきでしょう。
次の医師国試受験生に伝えたいこと
私が次の医師国試受験生に伝えたいことは早めに勉強を始めるということです。多くの大学では進級試験で国家試験範囲をカバーしますが、そうでない大学もたくさん存在します。早めに勉強開始し、模試では少なくとも偏差値40以上は常にキープしているようにしましょう。学生時代にやりたいことをやったり部活に打ち込んだりすることは非常に重要です。しかし、その中でも自分なりの勉強法を見つけたりして、いざ追い込むときに手遅れにならないようにしましょう。また、マッチングで試験を要求する病院を受けるなど、周りと同じペースで勉強を進められるように工夫もしてみましょう。