全身の骨の名称覚え方を語呂合わせ含めて解説| 医師国家試験予備校MEDICINE

医学部で学ぶ解剖学の分野の一つに骨学という分野があります。
骨学は、筋肉の起始・停止や作用など解剖学の他分野との関連が深く、また臨床的にも骨折や悪性腫瘍、リウマチ、関節変形症などの疾患と絡めて出題されるなど重要度の高い分野です。
この記事では、骨学の中でも特に骨の名称が覚えにくい場所4ヶ所にフォーカスし、解剖学的な構造や語呂合わせなどを解説していきます。

監修
医師国家試験予備校MEDICINE 塾長 佐々木京聖
医師。東京大学医学部卒。医学生の個別指導歴9年。在学時より医学生の個別指導の経験を積む。基礎医学からCBT・国試対策まで幅広く手掛ける。
学生時代には、塾講師として延べ100人以上の大学受験生(主に医学部・東大志望者)も指導。東大理三をはじめ、医学部を中心に多数の合格実績。自身の勉強法をまとめた書籍に、学生時代の書籍『現役東大生が教える超コスパ勉強法』(彩図社)がある。
手根骨の覚え方
まず初めに手根骨および手の骨について解説します。
手根骨は手のひらの付け根付近にある小さな8つの骨のことで、問われる頻度はそれほど高くないもののCBTなどでいきなり手のX線画像から骨の名称を答えさせる問題が出題されたりします。
語呂合わせと解説

手根骨について解説する前に、前腕(肘から手首まで)の骨について簡単に触れておきます。
前腕部には橈骨と尺骨と呼ばれる2本の細長い骨(長管骨)があります。
大まかに小指側にあるのが尺骨、親指側にあるのが橈骨です。
手根骨は8つの小さな骨からなり、それぞれ
豆状骨、三角骨、月状骨、舟状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨という名前がついています。
このうち近位にある豆状骨以外の3つの骨は橈骨と橈骨手根関節(いわゆる手首関節)を形成しています。
手根骨は以下のような語呂合わせを使うと覚えやすいです。
「父さんの月収は大小あるが有効に使えよ」
父(豆状骨)、さんの(三角骨)、月(月状骨)、収は(舟状骨)、大(大菱形骨)、小(小菱形骨)、あるが(有頭骨)、有効に使えよ(有鈎骨)
手根骨からはさらにそれぞれの指に対応する形で4つの細長い骨が出ています。
手首に近い側から中手骨、基節骨、中節骨、末節骨です。(ただし親指だけは中節骨がありません。)体表から指として認識できるのは基節骨からです。
これらの関節は手首に近い側からMP関節、PIP関節、DIP関節という名前がついています。
足部の骨の覚え方
続いて足部の骨について解説します。
足部の解剖は手の解剖とよく似ている部分があります。
対応させて同じ部分、違う部分に注目して覚えると良いでしょう。
語呂合わせと解説


下腿(膝から足首まで)には前腕と同様、2本の長管骨が入っています。
親指側にあるのが脛骨、小指側にあるのが腓骨です。
足の付け根部分にも、手根骨に対応する足根骨という小さな骨があります。
手根骨は8つの骨で構成されているのに対し、足根骨は7つの骨で構成されており、その配置も大きく異なります。
7つの骨の名前は立方骨、舟状骨、内側/中側/外側楔状骨、距骨、踵骨です。
「ポンコツ船に乗るナイチュガイな巨匠」という語呂合わせで覚えましょう。
ポンコツ(立方骨)、船に乗る(舟状骨)、ナイチュガイな(内側/中側/外側楔状骨)、巨(距骨)、匠(踵骨)
足の指の骨も手と同様で、中手骨、基節骨、中節骨、末節骨がそれぞれの指に対応してあります。親指には中節骨がありません。
骨盤の骨の覚え方
続いて骨盤の骨について解説していきます。
骨盤は単純な形をしているようですが、立体的な骨の配置は意外と複雑です。
また、消化器の分野で出てくるヘルニアや血管、神経の走行をしっかり理解するためにも骨盤の立体的な構造の理解は欠かせません。
解説

骨の名前を覚える前にまずは骨盤の立体的な形状を理解しましょう。
骨盤はざっくりいうと、大きな輪状の骨の(ピンク色の部分)下に小さなリング(青色)が二つくっついた形をしています。
輪状の骨の背中側の壁を構成しているのは、脊椎(いわゆる背骨)の下の方の部分です。
脊椎は首のところから下に向かって、頸椎、胸椎、腰椎と名前を変えていきます。
腰椎のさらに下の仙椎(仙骨)と尾椎(尾骨)が骨盤の背中側の壁を構成しています。
骨盤の側壁、前側の壁、下の二つのリングを構成しているのが左右の寛骨と呼ばれる骨です。
寛骨はさらに3つの骨に分かれており、一番大きく後側に広がっている骨が腸骨、前下方にあるのが恥骨と坐骨です。
恥骨は体の中央で恥骨結合を形成して左右の寛骨を結合しています。
坐骨と腸骨の境目付近には寛骨臼と呼ばれる窪みがあり、ここに大腿骨頭がはまりこんで股関節を形成しています。
顔面の骨の覚え方
最後に顔面の骨について解説します。
顔面の骨も神経障害や骨折のように臨床上重要になることが多々あります。
語呂合わせと解説


まずは顔面の骨の図を見ながら名称を覚えましょう。
額の部分を構成しているのが前頭骨です。
鼻の部分は顔の表面に近いところから順に鼻骨、涙骨、篩骨と並んでおり、一番奥に蝶形骨があります。
鼻の部分から左右に頬骨が伸びています。
上顎(口の天井部分)を構成する骨は二つあります。手前にある大きな骨が上顎骨で上の歯はここから生えています。
奥にある骨が口蓋骨です。
顎の部分を構成しているのは下顎骨で下の歯もここから生えています。
顔面の骨で重要なのは眼窩(眼球が入っているくぼみ)を構成している骨を覚えることです。
眼窩は以下の7つの骨で構成されています。
頬骨、前頭骨、口蓋骨、上顎骨、蝶形骨、涙骨、篩骨
「今日、前工場長が涙した」という語呂合わせで覚えましょう。
今日(頬骨)、前(前頭骨)工(口蓋骨)場(上顎骨)長が(蝶形骨)涙(涙骨)した(篩骨)
鼻骨が引っ掛けの選択肢としてよく出てきます。
まとめ
骨学は、医学部の解剖学の中でも他の分野との関連が深く、臨床でも頻出する重要分野です。
骨学は、外科・整形外科・画像診断・救急・リハビリなどあらゆる科で必須となる基礎知識です。
アトラスなども参照しながら立体的なイメージとして理解していくことで、試験にも臨床にも活きる確実な知識となるでしょう。


