病院見学のメールの書き方について徹底解説 | 医師国家試験予備校MEDICINE

病院見学のメールの書き方について徹底解説 | 医師国家試験予備校MEDICINE

                                                    更新日:2025年7月28日

初期研修先の病院を決めるために、医学生は6年次に「マッチング」に臨みます。その準備段階として、早ければ4年次の夏休みごろから病院見学を始めることが一般的です。

多くの医学生にとって、病院見学は初めての「就職活動」ともいえる経験であり、何から始めてよいのかわからないという方も少なくありません。

本記事では、病院見学の際に必要となる「メール」に焦点を当て、書き方や注意点について詳しく解説します。

病院見学を申し込む際の注意点

病院見学を申し込む際の注意点

病院見学においてマナーは非常に重要です。初期研修医になると医学生の時よりもはるかに患者さんと直接接する機会が多くなります。

そのため、病院側も見学申し込みの段階から、「本当に初期研修医として受け入れて大丈夫なのか」という視点で学生を見ていると考えるべきでしょう。

また、将来的に希望する病院に就職できなかった場合、「もしかしたら見学の時マナーを守っていれば受かっていたのかもしれない…」といった余計な後悔を残すことにも繋がりかねません。就職活動のマナーは、日常生活においてはあまり馴染みがないものが多いかもしれませんが、申し込みをするときから常に意識するようにしましょう。

さて、ここではメールの中身を見ていく前に申し込む際の一般的な注意事項を3つあげておきます。

  • 見学希望日の1〜2ヶ月前までには申し込みを行う
  • わからないことがあれば見学前に確認しておく(持ち物、服装など)
  • 先方からの返信、連絡に対してはすぐ対応する(目安24時間以内)

特に、夏休みなど見学の希望が集中する時期には申し込みが早期に打ち切られてしまうこともあります。早いうちから計画的に準備を進めるようにしましょう。

メールでの病院見学申し込み

メールでの病院見学申し込み

病院見学の申し込みは、病院側が用意している専用のフォームを利用することもありますが、それ以外ではメールを用いるのが一般的です。

メールでのやり取りは、相手の都合に左右されずに用件を伝えられるという利点があります。また、受け取る側も自分の都合に合わせて内容を確認できるため、双方にとって効率的であるというメリットがあります。

ただし、一度送信したメールの文面は訂正することができず、そのまま記録として相手に残ることになります。
送信前には自分の書いた内容をよく読み直し、敬語の使い方や表現、マナーに不適切な点がないか、十分に確認しましょう。

問い合わせメールの書き方

問い合わせメールの書き方

ここでは見学を申し込む際の問い合わせメールについて詳しく解説します。

最後には文面例も載せますのでぜひ参考にしてください。

件名

メールを送る際には必ず件名をつけるようにしましょう。「件名なし」でメールを送ることは非常に失礼に当たります。

件名は、

  • 病院見学を希望する旨
  • 自身の所属大学
  • 名前

の3つが一目で伝わる簡潔なものにしましょう。

宛名

メール本文の最初には必ず宛名をつけます。

宛名には

  • 見学先の病院名
  • 見学の担当部署
  • (わかる場合には)担当者の名前

を入れます。

担当部署宛にするときは「〇〇課 御中」、担当者個人宛にするときは「〇〇 様」とします。

「御中」と「様」を併用することはないようにしましょう。「〇〇病院 ××課御中 〇〇様」のような書き方は誤りです。

また、病院名も必ず正式名称で表記します。

例)⭕️ 〇〇大学医学部附属病院

  ❌ 〇〇大病院

本文

本文には以下の内容を盛り込みます。

  • はじめの挨拶
  • 自己紹介
  • 見学希望内容
  • 終わりの挨拶

はじめの挨拶は「突然のご連絡失礼いたします。」「はじめてご連絡いたします」のような短い文で大丈夫です。

自己紹介には、「大学名」「医学部」「学年」「氏名」を入れ、「〇〇大学医学部×年〇〇 〇〇と申します」のように名乗ります。

以後病院側とメールのやり取りをする際、初めてでなくても同じ自己紹介文を入れるのがマナーです。

見学希望内容は、見学を希望する診療科と希望日時(なるべく複数の日程を挙げる)を伝えましょう。その病院に興味を持ったきっかけなどを最初に書くのも効果的です。

最後に終わりの挨拶を入れます。「お忙しいところ大変恐縮ですが〜」、「お手数かけいたしますが〜」のように相手を気遣う文章を入れましょう。

署名

本文の最後に自身の署名を入れます。

署名には再度「大学名」「医学部」「学年」「氏名」を書くほか、メールアドレス、電話番号、住所も合わせて記入します。

この部分は送り先に関わらず使いまわせるので、テンプレートを作っておいてコピペできるようにすると便利です。

問い合わせメール文面例

問い合わせメール文面例

上記の内容に沿って、実際に問い合わせメールを送る際の文面例を示します。

問い合わせメール 文面例

件名:病院見学のお願い(〇〇大学〇〇)

〇〇病院 〇〇課

〇〇 様

突然のご連絡失礼いたします。

私、〇〇大学医学部○年〇〇 〇〇と申します。

先日、合同説明会にて貴院の研修プログラムについてお伺いした際、充実した研修制度に大変魅力を感じました。

是非、一度病院見学をお願いしたく、ご連絡させていただきました。

見学の内容につきまして、誠に勝手ながら以下のとおりお願いさせていただければと考えておりますが、貴院のご都合はいかがでしょうか。

〇〇大学医学部○年

〇〇 〇〇(氏名)

見学希望診療科:〇〇科

見学希望日:○月○日〜○月○日 

お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

〇〇大学医学部○年

〇〇 〇〇(氏名)

E-mail : 〜〜〜〜〜〜

住所:〒〇〇〇 – 〇〇〇〇

東京都新宿区〇〇〜〜〜〜

TEL:××× – ×××× – ××××

お礼メールの書き方

お礼メールの書き方

病院見学が終わった後はお礼のメールを病院に送ります。なるべく当日中に送るようにしましょう。

ここでは、申し込みメールと同様に書くべき内容を説明していきます。

件名

問い合わせメールと同じように、見学のお礼であること、見学した者の氏名がわかるような件名にします。

「病院見学のお礼(〇〇大学〇〇 〇〇)」のような簡潔なもので十分です。

宛名

書き方は問い合わせメールのものと全く同じです。

本文

お礼メールの本文に入れるべき内容は

  • 自己紹介
  • 感謝の気持ち/感想
  • 終わりの挨拶

です。前述のとおりですが、自己紹介は初めてのメールでなくても必ず書くのがマナーです。

病院見学をさせてもらったことに対する感謝、見学を実際にして感じたこと(ポジティブなもの)を書くようにしましょう。

署名

こちらも問い合わせメールのものと同様で大丈夫です。

お礼メール文面例

お礼メール文面例

お礼メールについても、文面例を以下に示します。実際に書く際の参考にしてみてください。

お礼メール 文面例

件名:病院見学のお礼(〇〇大学〇〇)

〇〇病院 〇〇課

〇〇 様

本日病院見学に参加させていただきました、〇〇大学医学部○年〇〇 〇〇と申します。

本日は大変お忙しい中、病院見学の機会をいただき心より感謝申し上げます。

今回の見学で、実際に貴院で働かれている先生方、初期研修医の皆様の様子を拝見し、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供する熱意あふれる姿勢に大変感銘を受けました。

見学を通じ、貴院で研修をさせていただきたいという思いが一層強くなりました。

取り急ぎ、貴重な見学の機会をいただいたお礼を申し上げたく、メールさせていただきました。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

〇〇大学医学部○年

〇〇 〇〇(氏名)

E-mail : 〜〜〜〜〜〜

住所:〒〇〇〇 – 〇〇〇〇

東京都新宿区〇〇〜〜〜〜

TEL:××× – ×××× – ××××

まとめ

病院見学は、単に施設や雰囲気を知るための機会ではなく、自分を知ってもらい、信頼を得る第一歩でもあります。

見学の申し込みメールやお礼のメールは、その病院との最初の接点であり、あなたの印象を大きく左右します。マナーや言葉遣い、内容の丁寧さが評価に直結することもあります。

この記事を参考に、良い第一印象を与えられるようなやりとりを心がけ、自信を持って病院見学に臨んでください。