【2025年度版】CBT試験(医学部)完全ガイド | 合格基準から出題形式・対策について解説 | 医師国家試験予備校MEDICINE

更新日:2025年6月17日
医学部4年生を対象に実施されるCBT(Computer-Based Testing)は、臨床実習に進むための関門として位置づけられた共用試験の一つです。しかし、これからCBT対策の勉強を始める方の中には、何から手をつければいいのか、そもそもCBTtはどのような試験かを理解していない方も多いでしょう。
本記事では医学部のCBTの合格基準から出題形式・対策方法について、指導実績豊富なMEDICINEの講師が解説します。最後まで読めば、これからCBT対策をするにあたって、やるべきことが明確になりますので、ぜひ最後までお読みください!
目次
共用試験とは
共用試験はCBTとOSCEから構成される、臨床実習を開始する前の医学生の能力を測る試験です。公的機関である公益社団法人共用試験実施評価機構により実施されます。
医師免許を持たない医学生が病院での臨床実習に臨むためには、医学知識を確認するためのCBT(筆記試験)と、技能・態度を評価するOSCE(実技試験)の両方に合格しなければなりません。
2021年の医師法改正により、共用試験は公的試験と位置付けられ、共用試験に合格しないと病院実習に参加することができなくなりました。
参考文献:厚生労働省 共用試験公的化について
CBTとは

CBTとは、Computer-Based Testingの略で、PC上に映される問題に解答していく試験です。
試験場では、1人1台PCが配布されます。出題される問題もそれぞれ異なり、約30,000問以上と言われるプール問題の中からランダムに出題された問題に、PCを使って解答していきます。
CBTは多くの医学部で大学4年生の秋以降に行われますが、大学によっては3年生の冬にかけて行われている大学もあります。
医学部CBTの合格基準

CBTの合格基準は「IRT」という指標を用いて判定されます。
前述のように、CBTの問題は一人ひとり出題される問題が異なっています。そこで、各医学生に出題される問題の難易度の差を考慮して算出されるのがIRTです。
2023年にCBTが公的化されて以降、IRTスコアで396が全国統一の合格基準となりました。
IRTスコアと得点率(何%の問題に正解したか)の相関について公式な発表はありませんが、公表されているデータとしてIRTスコアの平均514に対して、得点率平均が514というデータがあります。CBTを受験する医学生はこの数値を一つの参考として対策を進めると良いでしょう。
参考文献:日本の医学教育の現状と医師国家試験.医学教育 2015:46(1)
医学部CBTの出題範囲
医学部のCBT出題範囲は、文部科学省の医学教育モデル・コア・カリキュラムに定められています。
どの分野からどれくらいの割合で問題が出題されるというデータはありませんが、多くのCBT受験生の声を聞いていると、CBTの出題割合はおおよそ以下のような分布になっています。
科目 | 出題割合 |
---|---|
臨床医学 | 55~60% |
基礎医学 | 20~25% |
公衆衛生 | 10~15% |
問題の半分以上が臨床医学からの出題になっています。
しかし、基礎医学・公衆衛生も合計で30%以上出題されるため、この2科目についてもしっかりと対策をして望まないと合格できないことがお分かりいただけるでしょう。
医学部CBTの時間割・問題数
CBTは合計6ブロックから構成されます。
試験構成は以下のようになっています。
ブロック | 問題形式 | 問題数 | 制限時間 |
---|---|---|---|
ブロック1 | 単純5肢択一 | 60問 | 1時間以内 |
ブロック2 | 単純5肢択一 | 60問 | 1時間以内 |
ブロック3 | 単純5肢択一 | 60問 | 1時間以内 |
ブロック4 | 単純5肢択一 | 60問 | 1時間以内 |
ブロック5 | 多選択肢型 | 40問 | 1時間以内 |
ブロック6 | 順次解答型4連問 | 40問(4連問×10問) | 1時間以内 |
ブロック7 | アンケート |
合計で320問が出題されるCBTですが、実際に採点される問題は240問のプール問題です。
プール問題とは、これまでに行われたCBT試験の中で、良問と判定された問題です。残りの80問は採点されず、受験生の正答率が良好だった場合、翌年以降のプール問題として採用されます。
実際のCBT受験生の声を聞いていると、実際の手応えよりも10%程度高い点数となることが多いようです。
受験生が難しいと感じる問題は採点されない問題の可能性も高く、CBT本番では「解ける問題を確実にとる」精神で臨むことが大切です。
医学部CBTの出題形式
CBTの出題形式は、大きく分けて以下の3つになります。
①単純5肢択一
②多選択肢型
③順次解答型4連問
それぞれ順番に見ていきましょう。
①単純5肢択一
ブロック1〜ブロック4で出題される、問題文と5択の選択肢が与えらる問題です。選択肢の中から適切なものを一つ選んで回答します。
一度解答した問題でも制限時間内であれば解答を変更することが可能です。
例えば、以下のような問題が出題されます。
問. 黒色便が出るのはどれか。
②多選択肢型
ブロック5で出題される、6択以上のの選択肢の中から正解を選ぶ形式です。
「単純5肢択一」同様に、一度解答した問題でも制限時間内であれば解答を変更することが可能です。
大多数が臨床医学の問題になります。近年のCBTでは、市販の問題集の多選択肢型問題よりも、問題文が長文になっている問題が出題されている傾向があります。
例えば、以下のような問題が出題されます。
問. 56歳の男性.激しい背部痛と胸部絞扼感で来院した.3年前から,健康診断で高血圧と脂質異常とを指摘されていたが,医療機関を受診していなかった.本日,午前8時ごろに突然,激しい背部痛が出現し様子をみていたが,胸部絞扼感も出現してきたため,家族の運転する車で来院した.意識は清明.体温36.8℃.心拍数130/分,不整.右上肢血圧142/70mmHg,左上肢血圧189/110mmHg.呼吸数20/分.SpO2 98%(room air).顔面は苦悶様で発汗が著明.12誘導心電図でⅡ,Ⅲ,aVFのST上昇,V4-6のST低下および心室性期外収縮の頻発を認めた. 可能性の高い疾患はどれか.
③順次解答型4連問
ブロック6で出題される、1症例に対して問題が4つ連続で出題される形式です。
「単純5肢択一」「多選択肢型」とは異なり、一度解答した問題は前に戻って解答することができません。
問題の内容は、問診で聞くことや行うべき身体診察、行うべき検査、鑑別疾患、治療法まで幅広く聞かれます。
特にはじめの1問目は問題文から得られる情報も少ないため、難しいと感じる医学生が多いようです。
医学部CBTに向けた対策方法
これらの傾向を踏まえた上で、CBT対策はどのように進めていくのが良いのでしょうか。
CBT対策の勉強法については、以下の記事で大変詳しく解説されていますので、勉強を始める前にぜひ一度ご一読されることをお勧めします。
【東大医学部生が解説!】医学部CBT勉強法 – 9割を狙うための最強の勉強法
医学部CBT不合格を防ぐための完全ガイド【2025年5月更新】
まとめ
以上、医学部のCBT試験の概要について解説してきました。
CBT試験は医学部4年間の集大成であり、大学6年間の中で最も大変な試験になると思います。
しかし、試験の内容や出題形式を正確に把握した上で対策していくことが、CBT試験を乗り切る上で時非常に重要です。
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