医学部CBT不合格を防ぐための完全ガイド

医学部の学生にとって、CBT(Computer Based Testing)は避けて通れない大きな試験です。しかし、どうしても不合格になってしまうことも珍しくありません。本稿では、CBTに不合格にならないための対策法や勉強方法をご紹介します。


MEDICINE医学部進級塾 塾長 A講師

医師。東京大学医学部卒。医学生の個別指導歴9年。在学時より医学生の個別指導の経験を積む。基礎医学からCBT・国試対策まで幅広く手掛ける。
学生時代には、塾講師として延べ100人以上の大学受験生(主に医学部・東大志望者)も指導。東大理三をはじめ、医学部を中心に多数の合格実績。自身の勉強法をまとめた書籍に、学生時代の書籍『現役東大生が教える超コスパ勉強法』(彩図社)がある。


 MEDICINE医学部進級塾では、指導実績豊富な東大卒講師による無料相談会を受け付けています。指導歴9年の講師が現状分析から、残された期間でできることまで、これまで指導経験をもとに丁寧にアドバイスします。

・残された時間でどのような対策をすればいいのかわからない
・CBTで不合格になってしまったけどなんとか挽回して合格したい

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自分の能力を確認する

 医学部CBTは、医師になるための最初の関門であり、その難関を突破するためには、まず自分の現状を正確に把握することが不可欠です。自己評価は、単に自分の知識量を測るだけでなく、学習方法や時間管理、弱点の克服など、様々な側面から自分自身を見つめ直す機会となります。自分の強みと弱みを理解することで、効率的な学習計画を立て、試験対策に集中することができます。

 特におすすめなのは、以下の2つの方法です。

・これまでの演習量を参考にする
・模擬試験を活用する

これまでの演習量を参考にする

 ほとんどの受験生がCBTの受験にあたり、クエスチョンバンク(QB)を利用していると思います。

 CBTの場合、問題数は3000~3500問であるQBがほとんどです。

 演習量が2000問くらいまででは、実力がついている感じがせず、試験に望むのに不安を覚えることでしょう。一方で、演習数が3000問を超えてくるあたりから、CBT試験の全体像が見えてきて、自分はどの分野が得意なのか、あるいは苦手なのかがつかめてきます。

 演習量をこなして弱点が見えてくれば、あとはその部分に絞って勉強をすれば得点が大きく伸びます。

 ですので、まずはQBの問題数を3000問を目安に演習していきましょう。問題数をこなす前からどうしようと考えても、何も対策が打てないので、まずは演習量をこなすべきです。

模擬試験を活用する

 模擬試験は自分の実力を客観的に把握する良い機会となります。

 各予備校で模擬試験が行われていますが、CBT本番までにできれば複数回受験するべきです。

 おすすめなのは、模擬試験を3回受験することです。

 CBTの勉強を始める前に1回、試験2ヶ月前に1回、そしてCBT1ヶ月前に1回の計3回受験します。

 初めの受験では、何も勉強していない状態での現在地を把握します。この時点での正答率は出来が悪くても全く気にする必要はありません。今後勉強を続けていく上で、成績がどれくらい伸びているかの指標とするためのものです。

 2回目の模試は、試験2ヶ月前に行います。ここでは、これまで積んできた問題演習がどれくらい知識として定着しているかを確認します。この時点でギリギリでもいいので、合格点を超えていることが理想です。

 そして3回目の模試では、本番に自信を持って臨めるように受験します。ここで合格最低点を超えていると、あと1ヶ月でラストスパートが詰めれば合格は固くなります。

合格ラインを見極める

 不合格にならないために次に大切なのは合格ラインを見極めることです。

 医学部CBTの合格ラインは、毎年変動するため、最新の情報を収集することが重要です。

 また、大学ごとに合格ラインも異なっており、ある大学では正答率65%で合格、ある大学では正答率70%で合格だったりします。

 これは、CBTを受験する時期によって、合格ラインの設定を行なっているようです。CBT受験が早い大学だと合格ラインは低めに、CBT受験が遅い大学だと合格ラインは高めに設定される傾向があるようです。

 医学部CBTは、医学の基礎知識を幅広く問われる試験です。そのため、すべての分野を完璧に理解することは難しいですが、自分の大学の合格最低ラインを踏まえた上で、合格に必要な最低限の知識はしっかりと押さえる必要があります。

 

具体的な勉強方法

 では、CBTで不合格にならないためには、具体的にどのような勉強法をすれば良いのでしょうか。勉強方法は、以下の3点に分けて考えることが大切です。

・インプットとアウトプット
・学習ツールを工夫する
・スケジュールを効率的に立てる

 医学部CBTの勉強法については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!

インプットとアウトプット

 医学部CBT対策では、インプットとアウトプットのバランスが重要です。

単に知識を詰め込むだけでなく、理解した内容をアウトプットすることで、記憶に定着させることができます。

アウトプットの方法としては、問題演習、過去問分析、説明、ノート作成などが挙げられます。

 問題を解いただけでは、本当にそこで得るべき知識が定着しているのかを把握するのが難しいことがあります。その時は、友人や予備校の講師っと口頭諮問を行なったりして、勉強したことが定着しているか確認するのが大切です。

 また、自分が間違った問題に関しては、一冊のノートに箇条書きの形でまとめておき、試験直前に見直しをするという勉強法も効果的です。

効果的な学習ツール

 QB以外に活用できる学習ツールとして、フラッシュカードや記憶定着アプリなどの活用がおすすめです。

 どうしても覚えられない分野や、最後の2週間くらいにまとめて詰め込みたいような内容は、フラッシュカードにストックしておくと良いでしょう。

 また、記憶定着には「Anki」というアプリがとてもおすすめです。フラッシュカードのアプリケーションバージョンですが、正答率が悪い問題を中心に出題率が高くなるので、苦手分野を集中的に克服できます。

不合格になった場合の対策

 では、CBTでもし不合格になった場合はどのように対策を行なっていけば良いのでしょうか。この場合、以下の3ステップで考えるのが大切です。

・現状を把握する
・合格するために何が足りないのかを正確に掴む
・短時間で間に合うように対策をする

現状を把握する

 まず、成績表を元に、どれくらいの得点が足りずに不合格になったのかを把握します。

 例えば、irt(正答率の基準となる値)が合格点より5%足りなかったのであれば、再試験までに数週間で問題演習を追加でこなしていけば合格するのは難しくないでしょう。

 一方で、irtが合格最低点よりも15%とか20%低かったのであれば、問題演習が足りなかったのか、あるいはそもそもの勉強法が間違っていた可能性があります。

 成績表を元に、現在の状況を客観的に把握することが、再試験で挽回するための第一歩になります。

合格するために何が足りないのかを正確に掴む

 次に行うべきは、合格するためにどの部分を補強すればいいのかを把握することです。

 この作業には、CBTの成績表の円グラフと、現在のQBの正答率表を使用するのが良いでしょう。

 CBTの成績表の円グラフを見れば、基礎医学ができなかったのか、あるいは臨床問題・多肢選択肢・4連問ができなったかのか概要がわかります。また、QBの正答率を見れば、普段の勉強でもどの部分が弱かったのかを把握できます。

 ただ、ここで注意するべきなのは、再試験までたくさん時間があるわけではないので、全ての弱点を補強しようと考えてもうまくいかないということです。

 このことについては、次で解説します。

短期間で間に合うように対策をする

 CBTの成績が通知されてから再試験までは一般的に2~3週間ほどしかありません。

 したがって、自分の苦手分野の全てを補強しようとしても、キャパシティオーバーになり、うまくいかないことの方が多いです。

 したがって、どれくらいの正答率が足りなかったのかと、それを補うにはどの分野の正答率を補強すればいいのかを総合的に考えて、やるべき勉強を決めていくことが最も大切です。

 例えば、正答率が10%足りなかったのに、出題される問題数が1問あるかどうかわからない麻酔科ばかり補強しても合格点に届くことはありません。10%足りないということは、臨床・基礎・多肢選択肢・4連問のどこかが大きくできていないことが多いので、問題数が多い部分を中心の演習に切り替えて行うべきです。

まとめ

 ここまでCBTに不合格になった後に行うべき対策についてお話ししてきました。

 本試験の成績が発表されてから再試験までは2~3週間しか対策できる時間がありません。

 優先順位を明確にした上で、どこに時間を割くのかを考えて実行していく必要があります。

 MEDICINE医学部進級塾では、指導実績豊富な東大卒講師による無料相談会を受け付けています。指導歴9年の講師が現状分析から、残された期間でできることまで、これまで指導経験をもとに丁寧にアドバイスします。

・残された時間でどのような対策をすればいいのかわからない
・CBTで不合格になってしまったけどなんとか挽回して合格したい

このような方はぜひ一度ご連絡ください!