医師国家試験の難易度は?最新傾向や合格率について解説 | 医師国家試験予備校MEDICINE

医師国家試験の難易度は?最新傾向や合格率について解説 | 医師国家試験予備校MEDICINE

更新日:2025年6月15日

医師国家試験は、医師としての資格を得るための最終関門であり、その難易度や合格率は多くの受験生の注目を集めています。2025年2月に実施された第119回試験では、受験者数10,282人のうち9,486人が合格し、合格率は92.3%と高水準を維持しました。特に新卒者の合格率は95.0%に達し、過去5年間でも安定した推移を見せています。本記事では、最新の合格率や出題傾向、合格基準などを詳しく解説し、医師国家試験の全体像とその難易度についてわかりやすくご紹介します。

佐々木京聖

医師国家試験予備校MEDICINE 塾長・医師 佐々木京聖

医師。東京大学医学部卒。医学生の個別指導歴9年。大手医師国家試験予備校で、在学時より医学生の個別指導の経験を積む。基礎医学からCBT・国試対策まで幅広く手掛ける。その後、医師国家試験予備校MEDICINEを設立し現在に至る。
学生時代には、塾講師として延べ100人以上の大学受験生(主に医学部・東大志望者)も指導。東大理三をはじめ、医学部を中心に多数の合格実績。自身の勉強法をまとめた書籍に、学生時代の書籍『現役東大生が教える超コスパ勉強法』(彩図社)がある。

医師国家試験の難易度は高い?

医師国家試験の難易度は高い?

近年の医師国家試験は合格率が90%を維持しており、一見すると他の国家資格と比べて難易度が低い試験と思われがちです。

しかし、実際は合格率が高い一方で、試験内容は専門的で幅広いため、決して簡単な試験とは言えません。医師国家試験の受験生は、医学の知識だけでなく、臨床能力や問題解決能力も求められます。

ここでは2025年に行われた医師国家試験の合格率と、過去10年間の合格率について見ていきましょう。

第119回医師国家試験の合格率

第119回医師国家試験の合格率は以下のようになっています。

(出願者数) (受験者数) (合格者数) (合格率)
全体 10,544 人 10,282 人 9,486 人 92.3%
(うち新卒者) 9,717 人 9,507 人 9,029 人 95.0%

こちらを見ると、全体の合格率は92.3%、特に現役生の合格率が95%と非常に高くなっていることがお分かりいただけるかと思います。

過去10年間の医師国家試験合格率は?

過去10年の医師国家試験合格率は以下のように推移しています。

回数 施行年月日 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
1192025.2.8〜910,2829,48692.3
1182024.2.3〜410,3369,54792.4
1172023.2.4〜510,2939,43291.6
1162022.2.5〜610,0619,22291.7
1152021.2.6〜79,9109,05891.4
1142020.2.8〜910,1409,34192.1
1132019.2.9〜1010,1469,02989.0
1122018.2.10〜1110,0109,02490.1
1112017.2.11〜139,6188,53388.7
1102016.2.6〜89,4348,63091.5

過去10年間のデータを振り返ると、合格率は90%以上で安定しており、難易度が一定の範囲内で推移していることが伺えます。また、特に新卒者の合格率は95%前後と非常に高水準で推移しています。(こちらの記事では近年の医師国家試験の合格状況について詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。)

このことから、医師国家試験は簡単であると言われることが多々あります。しかしその実態は、非常に幅広い知識と高い専門性を問われる難しい試験なのです。

それでは、なぜ医師国家試験の合格率はこれほど高いのでしょうか?

医師国家試験の合格率が高いのはなぜ?

医師国家試験の合格率が高い理由は主に2つ考えられます。

理由① 医学部入試で既に選抜されているから
理由② 医学部での進級試験・卒業試験が難しいから

順番に見ていきましょう!

理由① 医学部入試で既に選抜されているから

医学部への入学試験は、非常に競争が激しく、受験生は高い学力を求められます。一般的に、医学部は他学部と比較して入試偏差値が高く、例えば国公立大学の医学部は、他の理系学部で一番難しいとされる、東京大学の理科一類と同程度の難易度であると言われることもあります。また、試験の内容も、数学や物理では高度な計算能力を求められる傾向があります。

さらに、多くの大学では、筆記試験に加えて面接や小論文の試験を課しており、ペーパーテストの能力だけでなく、医師としての適性や倫理観を見極めるための厳しい試験も設けられています。実際に、筆記試験の点数は合格基準に達していたのに、面接によって不合格となってしまう人も存在します。

このように、医学生たちは医学部に入った時点で、既に高水準の学力と資質を兼ね備えていることが保証されているのです。

理由② 医学部での試験が難しいから

医学部では、学生が医師としての基礎知識や技能を身につけるために、卒業までの間に、定期試験や卒業試験といった多くの厳しい試験が行われます。どの大学でも合格基準は決して低くなく、学生にとって非常に高いハードルとなります。

多くの大学では、授業で習う各科目ごとに、難易度の高い定期試験が作られます。

低学年では、組織学や解剖学、生理学など、今後学んでいく臨床医学の礎となる基礎医学を中心に、中学年では、臨床医学を学んでいきます。4年生で行われるCBT/OSCEに合格すると、4年生の後半からは病院自習が始まります。病院実習では各科ごとにレポートを提出したり、教授による厳しい口頭諮問などが待ち受けています。

病院実習をクリアすると、最後に待ち受けるのが卒業試験です。卒業試験では、多くの大学で医師国家試験と同じ形式で大学6年間で学んだことを確認する試験が行われます。卒業試験の難易度は多くん大学で医師国家試験より少し難しい問題が出題されるため、計画的に勉強しないと不合格になりかねません。

このような厳しい試験を通過した学生だけが医師国家試験に挑むことができるため、結果的に合格率が高くなるのです。

医師国家試験の合格率が高い理由については、こちらの記事でさらに詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみると良いでしょう。

医師国家試験を受験するには?

医師国家試験の受験には、以下のいずれかを満たしている必要があります。

・国内大学医学部の卒業している(または卒業見込)
・外国の医学部を卒業している、外国の医師免許を取得した人が日本で医師免許を取得する場合、厚生労働省の「医師国家試験受験資格認定」を受ける

後者で、医師国家試験受験資格認定を得るには、医師国家試験予備試験をを突破し、認定医療機関での実習を履修する必要があります。
(医師国家試験予備試験の詳細はこちら)

まとめ | 医師国家試験は合格率は高いが、難易度は低くない

以上、医師国家試験の難易度について解説してきました。

医師国家試験は合格率が他国家資格と比べて非常に高い試験ですが、背景には医学部入試の時点で優秀な学生が選抜されていることや医学部の進級試験・卒業試験が厳しく、医師国家試験に合格見込みの医学生しか受験できないようになっていることが挙げられました。

これから医師国家試験を受験される方は、合格率が高いからといって安心するのではなく、1年前から計画的に学習を積んでいく必要があります。

医師国家試験予備校MEDICINEでは、指導実績豊富な東大卒医師による個別指導を受講することが可能です。

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