【東大医学部生が解説!】医学部CBT勉強法 – 9割を狙うための最強の勉強法

医学部生にとってCBTは進級する上で避けては通れない試験です。特に近年、CBTが公的化されたことにより難易度が上がっており、これまで通りクエスチョンバンク(QB)を解くだけでは合格するのが難しくなっています。そこでこの記事では、試験1ヶ月半前のCBT模試で合格水準でギリギリだった私が、本試験でIRTスコア 777(正答率95%以上相当)をとれた、をとれた勉強法について解説します。CBTの得点率が伸び悩んでいる、あるいは試験まで時間がないけど挽回して合格したい方に役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください!



東大医学部5年 野口寛太

東大医学部5年。
難解な内容を噛み砕いて伝えることをモットーにしています。



CBT試験で9割を狙うための基本戦略

 CBT試験で9割を取るためには、まず何から始めれば良いのでしょうか。
 最も大切なのは、以下の二つになります。

・目標設定
・学習計画の設定

合格するために、どこに目標を置くのか?

まず率直に言えば、配信されているCBTを模した問題(mediLinkのQBオンライン(医学CBT)など)で取り扱われがちな疾患について、本試でもほぼ同じ難易度で出題されるということを意識することが大切です。

さらにもう一つ、CBTで出される320問中240問はプール問題からの出題で80問は新出問題で採点されないということです。私はこの二つを常に意識していました。

まだ、CBT類似問題に取り組んだことのない人はすぐに取り掛かるべきです。そして問題の雰囲気・難易度感を掴んでください。

ここからは、すでに少しはCBT類似問題に取り組んだことのある人向けに書きます。

取り組んだことがある人なら分かる通り、CBT類似問題は重箱の隅を突くような問題はなく、「病気が見える」や学生向け講義動画でメインに扱っている疾患の特徴的な事柄ばかりです。なんなら病見えも講義動画も情報量で言えば、オーバーキル甚だしいです。

なので、目標を私は以下のようにしました。

  • まずはめちゃくちゃ簡単そうな、イラストが豊富な、かつ医療学生向けの本を読む
  • CBT類似問題をできるだけ解く。色々な配信サービスがあるので、一つの配信アプリなどに限らず、無料なものは全部回す。
  • 特に、出題傾向は限られていると割り切り、網羅系の参考書には必要以上に手を出さず、CBT類似問題を中心に知識を埋めていく形にする。

試験当日まで、傾向が変わったらどうしようかという不安がありましたが、2023年度も傾向は変わらず、十分これで太刀打ちできたという結果でした。

効率的な勉強スケジュールの立て方

目標のところでも書いた通り、まずはめちゃくちゃ簡単な網羅系の参考書、特に図がいっぱい載っているものを読むべきです。

私は「イメカラ~イメージするカラダの仕組み」というものを使いました。この本では、CBTに出てくる疾患は、ほぼ網羅されていて必要十分といった感じです。ただし、臓器によってはまだ出版されていないものもあったので、その部分は病見えのまとめの部分とイラストの部分を適当に読んでいました。

この網羅系の本で、ある程度、臓器ごとに重要な疾患とその特徴をなんとなく覚えます。なんとなくこんな疾患あるな〜の地図・イメージが作れればいいです。

そこからはCBT類似問題を、なんの疾患のどんなところが聞かれがちかを意識しながら解いていきます。

参考書を読むスピード、問題を解くスピード感、記憶を形成するために必要な周回数を考えて、本試から逆算して設定しましょう。類似問題の問題量がキーになってきますが、私の場合はmediLinkのQB、M3Eメディカルのモントレ、それとCBT模試の過去問4年分を回しました。モントレは無料で問題数もかなり多かったので助かったなと思っています。

イメカラ自体は模試より前に読んでいて、ざっと読むのに1ヶ月~1ヶ月半ぐらいかけていたのかなと思っています。そのあとQBを全部2周したタイミングで模試を受けて78%、そこから火がついてモントレとCBT模試を詰めに詰め込んだ1ヶ月半という感じでした。

集中力を高める方法

 途中で不安に駆られて、変に細かく病見えを読み込もうとしたり、動画を見ようとしたりすると、将来的にはそっちの方が断然良いです(素晴らしいです)が、CBT的には非効率です。簡単な網羅系で良い、CBT類似問題を覚えればいい、と大きく割り切るとブレずに取り組み続けられます。

覚えることが多いので、1日にいろんな臓器・疾患に手を出すと途中から意識がふわふわしてくると思います。理解しながら、納得しながら読んでいくことが集中につながるので、ある臓器やテーマに絞って取り組んでみましょう。引っかかった場合にはすぐに検索して、忘れたくないものはスクショしてフォルダにとっておきましょう。スマホを触るのが好きな人でも、通学時間にスマホで確認できるので、やや閾が低いと思います。取り組み始められるかどうか、手軽かどうかも集中力に影響するのでスクショしたものを見返すのもの悪くないと思います。

あとはモチベ的に将来のことを常に意識してください、マッチングでは有名病院はかなり熾烈な争いになります。志望がある人は常に意識しましょう。

あとは医学部ということで、成績的なものは大好きな人が多いことでしょう。成績が好きな人はそのためだけに頑張ればいいし、そんな風潮に飽き飽きしているけど、なんか雰囲気から逃れられないと感じている人はあえて好成績を納めて何も言わせなくしようとか思って頑張りましょう。

CBTに向けた勉強スケジュール

CBTには、どのような勉強スケジュールで臨むのが良いのでしょうか。結論から言うと、ゴールから逆算して、以下のように分けて考えるのが大切です。

・10ヶ月前からの準備
・6ヶ月前からの準備
・1ヶ月半~2ヶ月前からのラストスパート
・直前期

また、参考までに私がCBTまでの10ヶ月の中で、使用した参考書を列挙します。

・イメカラ~イメージするカラダの仕組み
・medilinkのQB
・M3Eメディカルのモントレ
・CBT模試の過去問4年分

これらの参考書だけ10ヶ月間でしっかりやり込めば、9割取るのはそこまで難しくないと思います!

10ヶ月前からの準備

正直、10ヶ月前はそこまで意識していませんでした。

2023年度の東大の場合はOSCEとCBTが11月にあり、10ヶ月前はまだ3年生だったので実感はなかったです。冬休みですしね。

結論から言えば、9割を狙うのであったとしても、学校の成績が悪い人じゃない限り、10ヶ月前から毎日なんかしなくちゃいけないというのはないんじゃないかなと思います。

強いて言えば、無料のモントレあたりでCBTの問題感を見ておいて、全く知らないみたいな問題がどれくらいあるかぐらいは見ておいたら良いのかなと思います。私はQBを契約していたので、問題をちらほら解いていました。

6ヶ月前からの対策

4年生になり、周りの人もとやかくCBTの話をしがちになってきたので、本腰を入れます。

QBは引き続き解き進めていましたが、何回やっても覚えられない問題があるな〜というのは自覚していました。なので、網羅してまとめて頭に知識を入れられるような参考書として「イメカラ」を採用しました。

CBTの問題感は心得ていたので、病見え、解説動画を軸として勉強するのはオーバーキルと判断した結果です。

イメカラは、成績が低かった人にもとても読みやすいと思います。イラストが2ページにつき1ページ分あるので、文字で覚えるのが苦手な人には特におすすめです。ここから3~4ヶ月はQBとイメカラを軸に、足りない部分を病見えのまとめの部分とイラスト、ないしGoogleの検索でヒットした画像で補っていく生活をしていました。

1ヶ月半~2ヶ月前からのラストスパート

2ヶ月前ぐらいの時点で、イメカラは一通り覚え、QBは2~3周ほどしている状態でした。CBT模試を好きなタイミングで受けられたので、1ヶ月半ぐらい前のタイミングで試しに受けてみたら78%でした。

正直、勉強している感はあったので、もっといくかなと思っていただけになんか少し興醒めって感じでしたね。

そこで火がついて、ないし模試もほとんど同じ問題じゃん!と思えたのもあって、CBT類似問題を回したら90%はのせられるなと確信しました。

そこからはモントレとCBT模試過去問4年分を新しく追加です。モントレは無料なのに、問題数が多くてとても助かりました。モントレと模試過去問を完璧に覚えることを軸に切り替え、足りない部分はその都度、検索してヒットしたものをスクショして画像フォルダにとっておくといった感じで過ごしていました。

直前期の勉強法

正直、新しく追加したモントレの問題数と過去問の量が半端ではなく、覚えるのは大変でした。記憶していくためには知識の関連性が必要なので、臓器と疾患の大枠を大切に、テーマごとにまとめてやっていました。

それから、覚えなきゃという意識そのものも強くするため、5問ごとに今やっていた5問分の問題と回答をできる限り思い出す、という独自の縛りを作っていました。

一つのテーマの問題たちを解き終わったタイミングで、どんな問題があったのかをぼやっと思い出すことも心がけていました。

それから、もうどうしても覚えられない問題たちは後回しにしました。私の場合は微生物範囲や公衆衛生範囲でしたね、人それぞれあると思いますが、前日、前々日に詰め込みむのでも良いと思います。

また、試験が近づくにつれ、全然違う問題が出たらどうしようという不安に駆られていましたが、とりあえず目の前のCBT類似問題が解けないんじゃ意味がないという思いを強く持ってブレずに勉強していました。結局、類似問題でやったことのあるような問題しか出なかったので正解でした。

CBT9割を取るための具体的な勉強方法について

ここからはCBTで9割を取るための具体的な勉強法について解説していきます。

参考書を読む、類似問題を解くといってもそれなりのコツがあると思います。大枠から捉えて、枠組みを作り、そこに知識を落としていって結んでいくのが大切です。まずは簡単な参考書で大枠づくり、そこからは類似問題でconnecting the dots といった感じです。

僕が特に実践していたのは、以下の3つでした。

・先輩の勉強法を参考にする
・QBCBTの解説
・模試の活用

一つ一つ解説していきます。

先輩の勉強法を参考にする

たくさんの先輩の話を参考にしたところで船頭多くして船山に登るです。

先輩からは模試の過去問を譲り受けたり、CBT本試の問題感を聞いたりしましょう。類似問題をどれだけ解いたかを聞き出しつつ、CBT本試の結果を聞けたら良いと思います。

私はmediLinkのQBとモントレしか使っていませんでしたが、先輩からおすすめされたサービスが他にもある場合はそれもやっておくと怖いもの無しでしょう。

QBCBTの解説を活用する

CBT類似問題はいちばん大事です。これをいかに周回できたかが、点数にかなり影響すると思います。私の勉強法をマネされる場合は、おそらく一つのサービスだけでは足りないと思います。

mediLinkのQBをやっていても、モントレの方には被らない問題がかなりあって、1ヶ月半前にそれに気づいた時はかなりビビりました。全然知らない問題が4割くらいあったので、、、本試の時も、モントレとQBから満遍なく出た感じだったので、90%目指すなら少なくとも2つのサービスを取り組むことをおすすめします。

模擬試験を活用する

模試は重要ですね、実力を測るという本当の意味での模試と模試の過去問を使うという2つの意味で重要です。

本試の1ヶ月〜2ヶ月前くらいには受けておくと、結果に応じて計画の修正がしやすくて良いと思います。模試を受ける前にはQB2〜3周は最低しておいた方がいいです。

模試の過去問でよかったなと思ったポイントは4連問です。模試の過去問を解く前にQBもモントレもやっていたので、単問の部分はだいぶ出来るようになっていましたが、4連問は取り組んだ問題数が少なくなりがちだったので、模試の過去問でだいぶ磨きをかけられたかなと思います。

まとめ:継続が成功のカギ

最終的にまとめると、私の成績向上に大きく寄与したのは、模試過去問やQB、モントレを通して、たくさん解いたこと、そして何回も反復して覚えようとしたことだと思います。

私の場合、1ヶ月半の間にだいぶ詰め込む結果になってしまいましたが、半年前から見据えて取り組んでいけば慌てずに9割は取れると思います。一方で、基礎部分も大切なので、簡単な参考書を読んでから取り組むと、より効率的です。

2023年度のCBTもなんらQBやモントレと変わりがありませんでした。成績の感触からして、難しいぞ、見たことないぞと感じた問題はおそらく新出問題だったようです。

2024年度、2025年度もそう大差ないでしょうから、QB、モントレ、過去問をやっておけば、ほとんど見たことある問題になると思います。時間の余裕がある人は他にCBT類似問題のサービスがないかをチェックしてみてください。より確実になっていくと思います。

医師国家試験予備校MEDICINEでは、合格実績豊富な東大卒講師による無料学習相談を受けることができます。

・自分の勉強法が本当に大丈夫なのか、確認してもらいたい
・試験まで残り時間が少ないけれど、なんとかここから挽回したい

このような気持ちをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください!