【医学生向け!】薬理学の勉強法と参考書を解説!【2025年1月更新】


更新日:2025年1月27日

 薬理学の勉強で薬の名前を覚えるのが苦手だったり、作用機序を理解するのに苦しんでいる方は多いでしょう。

 一見すると丸暗記しかないように思える薬理学ですが、基本的なルールをしっかり押さえて勉強すれば、勉強がグッと楽になります。

 本記事では、医学生の指導歴8年の東大卒講師(医師)が、医学生なら誰でも実践できる薬理学の効率的な勉強法について紹介します。

 この記事を読めば、薬理学の勉強に悩むことはもうなくなり、今よりも楽に解剖学の勉強ができるようになるでしょう。また、後半では勉強するのが楽になるおすすめの参考書も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください!


佐々木京聖

監修:
医師国家試験予備校MEDICINE 塾長 佐々木京聖

医師。東京大学医学部卒。医学生の個別指導歴9年。在学時より医学生の個別指導の経験を積む。基礎医学からCBT・国試対策まで幅広く手掛ける。
学生時代には、塾講師として延べ100人以上の大学受験生(主に医学部・東大志望者)も指導。東大理三をはじめ、医学部を中心に多数の合格実績。自身の勉強法をまとめた書籍に、学生時代の書籍『現役東大生が教える超コスパ勉強法』(彩図社)がある。


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はじめに

 この記事で勉強する薬理学の勉強法は、あくまで「定期試験やCBT、医師国家試験に合格するための」勉強法です。

 ですので、薬理学を学術的に勉強したりなど、研究者レベルで勉強するための方法ではないことにご注意ください。

 いかに効率良く薬理学を勉強して、定期試験をはじめとした試験に合格するかについて、以下では解説していきます。

薬理学の勉強法

 医学部の試験で生化学を効率良く勉強するためには、以下の3つの点を意識していくことが重要です。

  • 過去問から定期試験で頻出の範囲を確認する
  • 生理学で学習した内容を復習する
  • レベルに合った参考書を選ぶ

①過去問から定期試験で頻出の範囲を確認する

 薬剤は無数にあります。

 ですので、限られた期間の中で、薬理学をがむしゃらに勉強しようとしても無理が生じてしまいます。

 薬理学の定期試験で合格するための第一歩として、通っている大学の過去問3年分に目を通すことを推奨します。

 過去問に目を通すと、どの部分が毎年出題されているのか、あるいはされていないのかを把握することができます。そして、出題されやすい部分は大学毎に異なってきます。

 例えばある大学の定期試験では抗うつ薬の理解を問う問題が毎年出題されている一方で、他の大学では代謝は全く出題されずアルツハイマー病治療薬の作用機序を問う問題が多めに出題されていると言ったことがよく見られます。

 まずは自分が通う大学で狙われやすい分野を把握することが、第一歩になります。

②生理学で学習した内容を復習する

 薬剤がどのように作用するかを理解するには、そもそも正常な人体がどのような機構に基づいて動いているのかを理解する必要があります。

 例えば、重症筋無力症の治療薬は神経筋接合部に作用しますが、この薬の作用機序を理解するにはそもそも神経筋接合部でどのようなやり取りが行われているのかを知らないといけません。

 ですので、薬理学を勉強していて、そもそもの生理学の知識が理解できていないと感じたら、一度立ち止まって、生理学を復習することをおすすめします。

 生理学の勉強法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にして見てください!

③レベルに合った参考書を選ぶ

 薬理学の参考書はどのように選んでいますか。

 多くの学生を指導してきた経験をもとにお話しすると、おそらく自分のレベルにあっていない参考書を使用している方がほとんどなのではないかと思います。

 もちろん、薬理学を専門的に勉強していくという観点からは、大学の先生がおすすめされるようなゴリゴリの参考書を使用して勉強する必要があるでしょう。

 しかし、「定期試験に合格する」という観点からは、そのような書籍が必要になるかというと、必ずしもそうではないということを頭の片隅に入れておいていただけると良いです。

 参考書は2冊ほどあれば十分で、一冊は誰もがわかるように書かれた教科書、そしてもう一冊は、じっくり読み込めば薬理学に関する全てが書かれている専門書です。

薬理学でおすすめの参考書3選

 では実際に、薬理学の進級試験対策ではどのような参考書を使用していくと良いでしょうか。

 ここでは、以下の3つの参考書をご紹介します。

・シンプル薬理学(南江堂)
・標準薬理学(医学書院)
・イラストレイテッド薬理学(丸善出版)

①シンプル薬理学(南江堂)

画像:Amazonより引用

 1冊目は、『シンプル薬理学』(南江堂)です。

 こちらは、薬理学を基礎から勉強する「理解するための参考書」として使用します。

 他の参考書では一見難解と思われる内容も、簡潔かつ明瞭な言葉で解説されているので、初学者には特におすすめの参考書です。

 定期試験の問題を見直していき、わからない問題があったら、まずこちらの参考書で調べてみると言った方法で使用すると良いでしょう。

②標準薬理学(医学書院)

画像:Amazonより引用

 2冊目は『標準薬理学』(医学書院)です。

 こちらは、初学者の「理解するため」の参考書としても使用できますし、あるいはより専門的に勉強したい方の「専門書」として使用可能です。

 薬理学に苦手意識がある方は①シンプル薬理学(南江堂)を理解するための教科書、②『標準薬理学』(医学書院)を辞書として使うと、勉強がはかどるでしょう。

③イラストレイテッド薬理学(丸善出版)

画像:Amazonより引用

 こちらは薬理学に関する知識が網羅的に収録されている、バイブルのような参考書です。

 勉強していてわからない概念が登場した際の辞書がわりに使うことをおすすめします。

 薬理学に必要な内容なこの一冊に凝縮されています。専門的な参考書を何か一冊持っておきたいという方にはこちらの書籍がおすすめです。

まとめ

 以上、薬理学の勉強法とおすすめの参考書についてお話ししました。

 薬理学に自信がない方は、基礎から理解するための参考書として①『シンプル薬理学』(南江堂)を、辞書として②標準薬理学(医学書院)がおすすめです。

 一方、ある程度自信がある方は、基礎から理解するための参考書として②標準薬理学(医学書院)を、辞書として③イラストレイテッド薬理学 を使用すると良いでしょう。

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