医学部6年間のロードマップ完全ガイド | 学年ごとの目標と重要ポイントを東大卒講師が徹底解説【2025年1月更新】

更新日:2025年1月4日

 

医学部6年間のスケジュールは?学年ごとに徹底解説

医学部1年生:医学部の勉強に慣れる

 厳しい受験戦争を勝ち抜いていざ医学部へ入学!どんな大学生活を送ることになるのか期待と不安でいっぱいになるでしょう。
 ここでは、医学部1年生の学習内容と過ごし方のポイントについて解説します。

 まず医学部1年生では、多くの大学で①教養科目と②基礎医学を学習することとなります。
 医学部といえども見識を深めるため、一般教養としての教養科目を履修することとなります。教養科目で勉強した内容が後に学習する医学と直結することは少ないかもしれませんが、多様な学問に触れることができるいい機会と思って前向きに取り組みましょう。
 また、教養科目と並行して基礎医学(解剖学、生理学、生物学など)を学習する大学もあります。のちの臨床実習に備えてあらかじめ人体の構造や組織、生理動態について学ぶことが目的です。暗記量は膨大となりますが、ここできっちり基礎を固めておくとのちの臨床実習での理解が捗りますので、気合を入れて勉強するようにしましょう。

医学部1年生 過ごし方のポイント

  • 高校までの学習スタイルから大学での学習スタイルへ移行する
  • 基礎医学(例:解剖学、生理学、生物学など)の土台作りを徹底する

 医学部1年目の過ごし方のポイントについては、「医学部進級試験対策完全ガイド:合格率を上げる具体的戦略と学年別アプローチを東大卒講師が解説」という記事で詳細を説明していますので、ぜひ併せてご確認ください!

医学部2年生:基礎医学学習の山場

 医学部2年生は、3年次からはじまる臨床実習の前段階として基礎医学を固める期間となります。授業内容は本格的な医学教育に切り替わり、解剖学・生理学・生化学・病理学・薬理学・免疫学・微生物学など学習する内容も多岐に亘ります。

 また、解剖学をはじめとする本格的な基礎医学の実習が始まるのもこの頃です。これまで教科書や参考書で学んできた知識を実際のヒトの身体を見ながら体系的に整理していく必要があります。1年次にきちんと知識が身についていれば、実習で得るものも多いでしょう。講義と実習で体力的にも精神的にもハードな1年となりますが、医学生生活のリズムを身に付ける良い機会となるでしょう。

医学部2年生 過ごし方のポイント

  • 座学と実習を組み合わせた基礎医学の統合的な理解を図る
  • 医学生としての生活リズムの土台をつくる

 医学部2年目の過ごし方のポイントについては、「医学部進級試験対策完全ガイド:合格率を上げる具体的戦略と学年別アプローチを東大卒講師が解説」という記事で詳細を説明していますので、ぜひ併せてご確認ください!

医学部3年生:臨床科目の学習が始まる

 3年生になると、基礎医学の学習を終えていよいよ臨床医学の学習が始まります。その名のとおり、臨床現場で実際に必要となる知識を身につけることが目的です。患者さんの診察や検査所見から病態を診断して治療を実行するまでの流れを学びます。
 疾患の領域ごとに講義・実習が行われますが、その診療科は多岐に亘るため、まずは卒業試験や医師国家試験でもよく出題される「メジャー科」と呼ばれる診療科を中心に学習を進めることをオススメします。

特徴 主な診療科
メジャー科 ・全身を診る科
・医師国家試験での出題数が多い
内科・外科・小児科
マイナー科 ・局所を診る科
・医師国家試験での出題数が比較的少ない(全体の20%程度)
眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科・精神科・形成外科・整形外科・泌尿器科・放射線科

医学部3年生 過ごし方のポイント

  • 検査所見・病態から治療に至るまでの流れを体系的に理解する
  • 試験出題率が高いメジャー科の学習を重点的に行う

 医学部3年目の過ごし方のポイントについては、「医学部進級試験対策完全ガイド:合格率を上げる具体的戦略と学年別アプローチを東大卒講師が解説」という記事で詳細を説明していますので、ぜひ併せてご確認ください!

医学部4年生:CBT・OSCE試験を受験

 医学部4年生の最大の山場はなんといっても①CBTと②OSCEです。2つ纏めて「共用試験」といいます。これらの試験に合格しないと、5年生からの臨床実習に進むことはできません。

 ①CBTは臨床実習開始前に必要な知識がきちんと身についているかを確認する試験で、これまで学習した基礎医学・臨床医学の全範囲が問われることとなります。これまでの定期試験や進級試験とは比較にならないほど広範囲から出題されるため、事前にしっかりと計画を立てて学習を進める必要があります。該当する教科書やレジュメを一から見直そうとすると膨大な時間がかかるため、まずは過去問を解いてみて、解けなかったところや理解が不十分なところを中心に教科書やレジュメで確認していく方法をオススメします。

 CBTの具体的な勉強方法については、以下の記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!

医学部CBT不合格を防ぐための完全ガイド

【東大医学部生解説!】医学部CBT勉強法 – おすすめ問題集と勉強法完全対策ガイド

医学部CBT勉強法 – 9割を狙うための最強の勉強法

 ②OSCEは臨床実習に臨むにあたって、患者さんに行う身体診察や問診法など、実技的な能力を確かめるための試験です。大学でOSCE対策の講座や実習が組まれることが多いので、きちんと参加して試験本番にスムーズに実技を行えるように何度もシミュレーションを繰り返しましょう。

医学部4年生 過ごし方のポイント

  • 定期試験対策と並行して、早期からCBTとOSCEの対策を行う
  • 範囲が膨大なCBTを効率よく乗り切るために過去問を積極的に利用する

 医学部4年目の過ごし方のポイントについては、「医学部進級試験対策完全ガイド:合格率を上げる具体的戦略と学年別アプローチを東大卒講師が解説」という記事で詳細を説明していますので、ぜひ併せてご確認ください!

医学部5年生:病院実習が本格的にスタート

 CBTとOSCEに合格すると、晴れて病院実習に参加することとなります。通称「ポリクリ」と呼ばれており、複数の診療科を数週間ずつローテーションで回ることとなります。実際の患者さんを通じて臨床知識を深めることを目的としており、様々な診療科を回ることで自分が興味を持てる分野を知る良いきっかけにもなります。実習にはきちんと出席し、レポートなど与えられた課題をしっかりこなすようにしましょう。

 通常1年を通じて病院実習に参加することとなりますが、並行して6年次の卒業試験や医師国家試験に向けた勉強を始めておくことをオススメします。「卒業試験や国家試験対策は6年生になってからでいいや」と高をくくっていると、いざ6年生になってから苦労することでしょう。

 5年生からできる医師国家試験対策については、こちらの記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!

医師国家試験の合格を目指す5年生のための勉強法ガイド【2024年12月更新】

医学部5年生 過ごし方のポイント

  • 病院実習には必ず出席し、レポートなど与えられた課題を確実にこなす
  • 6年次の卒業試験や医師国家試験に向けて、計画的に学習を進めておく

 医学部5年目の過ごし方のポイントについては、「医学部進級試験対策完全ガイド:合格率を上げる具体的戦略と学年別アプローチを東大卒講師が解説」という記事で詳細を説明していますので、ぜひ併せてご確認ください!

医学部6年生:マッチングや卒業試験・国家試験とイベント目白押し

 6年生になると、①卒業試験、②マッチング、③医師国家試験と非常に忙しい日々を過ごすこととなります。

 ①卒業試験は多くの大学で初夏~秋頃にかけて複数回実施されており、これら全てに合格しないと医師国家試験を受験することはできません。卒業試験の試験範囲はこれまで6年間で学んだ全範囲となっており、難易度は医師国家試験と同等もしくはやや難しく設定されることが多いです。これは、各大学が医師国家試験の合格率を維持するため、合格する見込みのない学生に受験をさせないよう、卒業試験で篩にかけるためでもあります。
 卒業試験の対策方法についてはこちらの記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!

医学部卒業試験攻略ガイド:合格への道筋

 ②卒業試験対策と並行して夏頃から「マッチング」と呼ばれる、いわゆる「医学生版就職活動」が始まります。マッチング成功のカギは、早期から希望の病院の選定を進め、見学を済ませておくことです。近年はマッチング時に筆記試験が行われることは減り、面接重視の選考が行われる傾向にありますが、自分が希望する病院に必要な対策は早めに済ませておくようにしましょう。

 医師になるための最後の関門が③医師国家試験です。例年2月上旬頃に実施されており、合格率は90%超ときちんと対策を行えば合格できる可能性が高い試験です。とはいえ、卒業試験から医師国家試験までの期間は数カ月しかないため、卒業試験と医師国家試験の勉強を両軸で進めていく必要があります。
 医師国家試験の対策方法については、以下の記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてください!

医師国家試験の公衆衛生を制する!効率的な学習戦略とおすすめ教材

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医師国家試験合格への最適な勉強法とスケジュール

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医学部6年生 過ごし方のポイント

  • 卒業試験、マッチング、医師国家試験とイベントが目白押しのため、計画的に学習を進める必要がある
  • いずれも早期から情報収集を行い、過去問を活用して出題傾向を掴む

 医学部6年目の過ごし方のポイントについては、「医学部進級試験対策完全ガイド:合格率を上げる具体的戦略と学年別アプローチを東大卒講師が解説」という記事で詳細を説明していますので、ぜひ併せてご確認ください!

医学生の1日のスケジュール例:効率的な時間管理術

医学部生活を成功させるヒント|バランスの取り方とモチベーション維持

まとめ|医学部6年間を乗り切るために必要なこと